疼き出す危険日〜主婦由美子の禁断の逢瀬
由美子はキッチンの椅子に座り、冷めた紅茶を前にため息をついた。結婚して十年。夫は誠実で、浮気一つしたことのない男だった。ただ、最近の彼は家では無口で、顔を合わせても「おう」と言うだけ。
会話も、視線すら交わさない日が続いていた。
「もう女として見られてないのかもね….」
鏡の中の自分に向かってつぶやいたとき、スマートフォンが震えた。画面には、ましろからのメッセージ。
「からだはもう平気なの?」

・・・由美子は一瞬で全てを理解した。
これは由美子の身体を気遣っているのではなく、ただ求められているだけ‥
なのにどうしようもなく、このぶっきらぼうな文面に身体が熱くなるのを感じてしまう。
由美子は先日、ましろの子をその身に宿した。だがそれは誰にも知られることなく、密かに無かったことにした。由美子には家庭を壊す勇気はなかった。
だからもう2度と会わないと決めたのに…
それなのに手には真っ赤なルージュを握りしめ、唇にべったりと何度も何度も塗り重ねていた。
「ふふ‥自分じゃないみたいだわ」

普段はしない派手な化粧にふと笑いが込み上げる。でもそのおかげで少しばかり罪悪感が薄れ、自分に言い訳するように言い聞かせる。
「もう会わないって言いに行くだけ。お別れを告げるだけ‥」
緊張した面持ちで、指定された部屋へと向かう。
「話したいことがあったらから来たわ。もうこうして会うのは止めるわ。」
凛とした表情を崩さないよう、由美子は一息で思いの丈を告げる。

そんな由美子を見下ろすようにジリジリと近づいてくるましろ。
「な、何よ‥」
強気な由美子の表情が徐々に弱気なものに変わっていく。

その雰囲気だけで気圧され、由美子はベッドに崩れてしまう。
「あぁ‥ごめんなさい。こんなこと言いにきたんじゃないの。ごめんなさい。」

『素直じゃないね、そんな由美子にはお仕置きだよ。』
壁際に立たされ、背後から身体をまさぐられる。
『あの時以来だね。ますます良い身体になったんじゃない?』
「ああ‥許して‥」

『ほら、お尻を突き出して、なんて言うの?言いたいことがあるんでしょう?』
「‥‥抱いて‥由美子を抱いて、めちゃくちゃにして‥っ!!」
『ふふ‥最初から素直になればいいものを。めちゃくちゃにしてほしいってことは‥由美子、今日はもしかしてまた”危ない日”なんじゃない?』

「そうよ、今日は危険日なの。だから、だから‥本当は絶対に会っちゃいけない日なのに‥」
『違うでしょう?だからこそ、会いたくてたまらないんでしょう?身体がよく分かってるはずだよ。』

「あぁん‥言わないで、お願い、言わないでよ‥」
言い当てられてしまい、由美子は押さえつけていた欲情が溢れ出すのを止められずにいた。気づくといつものように自らを慰めるため自然と手が伸びていた。

『可愛い由美子。今日はオナニーじゃなくていいんだよ。たっぷり抱いてあげる。』
はっと我に返る由美子。
潤んだ瞳で口を半開きにさせ、大胆に足を抱えておねだりをする。
「お願いします‥ここに‥ここに‥」

『ここに‥?入れて欲しいんだよね?それで?中に出して欲しいんでしょ?』
「それはダメっ!!今日はダメなの、お願い、最後は外に出して‥中はダメ‥中はダメなの」
『でも由美子の中はこんなに熱くて、ぐちょぐちょで、中に出して欲しいって言ってるよ?』

「ダメよ、ダメだったら‥お願いよ‥ああっ!!良いっ!!きもちいいっ!!」
『ほぉら、今良いっていったじゃない!お望み通り中に出してあげるよ。』

「違うの、中はダメっ!!お願い、中に出さないで‥!!あぁっ!!いいのっ!!」
『ダメって言ったり、イイって言ったり、忙しい子ね。由美子は素直じゃないから、身体に聞いてみようね。ほらもっと腰あげて。』
『あーやばい。ホント気持ち良すぎてもうイキそう。由美子、良いよね?』
「きもちいいっっ!!いいのっ!!」
『やっぱり中に出して良いんじゃん。がっつり咥え込んで離さないし、今更ダメって言っても遅いよ。出すよ。中にっ!』
「あっ!!そんなっ!!ダメだったら!!いや、やめてーー!!あぁーー!!!」

『ふふ、最高。由美子、まだやめないよ。一回出したくらいじゃおさまんない。もうあきらめな?』
「そんな‥そんな‥あぁっっ!!」
『大丈夫。旦那にも抱いてもらいな。可愛く誘惑してちゃんと中に出してもらうんだよ。そしたらバレないよ。』
‥‥‥それから由美子は何度も何度も熱い滾りを中で受け止めた。
口では嫌、やめて、と言いながら、飢えた身体が満たされていくのを感じていた。
最後には自ら上に跨り腰を振った。長い髪を振り乱しながら、自重をかけて一心不乱に舞い踊る。

「中に‥中に出してっ!!もういいの、もういいわ!!おねがい、中に‥っ!!」
最奥に導くように脚を絡め、腕を巻き付けて抱きつく。
ドクドクッ!!っと中に放たれたと同時に、由美子も快美の高みを迎える。
失神するほどのエクスタシーが由美子の身体を駆け抜け、プシュッッ!!と水音を立てて盛大に潮を吹き上げる。

ーー
ーーーー
駅からの帰り道、由美子はゆっくりと歩いた。足取りは軽くもなく、重すぎるわけでもない。ただ一歩一歩が、妙に現実味を帯びていた。
靴音がアスファルトを叩くたびに、心が波紋を広げる。揺れる。後ろめたさと、微かな解放感。
その狭間で、由美子の胸はきしんでいた。
女としての自分”を呼び起こされた今日。心がほどけた。満たされた。けれど、それは許されないぬくもり。唇に残る余韻が、罪を囁く。
「私、何をしてるんだろう…….」
家の前に立ち止まる。鍵を握る手がわずかに震える。戻る場所があることに安堵しながらも、その中にいる自分が、少しだけ他人のように思えた。
to be continued……
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