「…もう、ダメかも。こんな可愛いの、見せられたら…」ゆみちゃん
「ゆみちゃん、もう少しだけこっち向いて~」
ましろがカメラを構えながら声をかけると、鏡を覗き込んでいたゆみちゃんが、少し照れたように首をかしげてこちらを向いた。

白のオフショルダーのフリルニットが、肩のラインをやさしくなぞり、白地に黒の水玉模様のミニスカートが軽やかに揺れる。黒の薄手のストッキングが脚に優しく沿っていて、全体的にどこか儚げで、でもとてもかわいらしかった。
「…なんだか、ちょっと恥ずかしいかも」
「えへへ、でもすっごくかわいいから大丈夫。わたしだけのモデルさんだもんね」
ましろの声に、ゆみちゃんの頬がほんのりと赤く染まる。カメラのファインダー越しに見えるその表情が、たまらなく愛おしい。

カシャッ。
シャッター音が、二人の空気を少しずつ変えていく。
最初は照れていたゆみちゃんも、だんだんと表情が柔らかくなっていった。ましろの声に応えるように、自然と笑顔を見せる回数が増えていく。ときおり視線が合うたびに、ふたりして小さく笑った。
「ほらゆみちゃん見て!この写真とかめちゃくちゃ可愛いよ!」
「わぁ!ほんとだー!嬉しい。なんかね、ましろちゃんが撮ってくれると、ゆみ、いつも可愛くなれてる気がする。」

「そう?ゆみちゃんがかわいすぎるから、わたしの腕なんて関係ないかも」
そう言って笑うましろの愛おしげな眼差しに、ゆみちゃんの胸がふわっとあたたかくなる。
「ねぇ…あとで、ましろちゃんも一緒に写真、撮ろうよ」
「え?」
「せっかくだし。ふたりで一緒に写ってるのも撮りたいなぁ‥って、だめ?」
ましろは一瞬きょとんとした顔をして、それからふわっと微笑んだ。
「そんな可愛いおねだりなら大歓迎!撮ろうー!撮ろう!」
そう言って並んだ鏡の前、肩が少し触れ合って、ゆみちゃんが少しだけ身を寄せた。
カシャ。

「……ゆみちゃん、ほんと、反応かわいすぎるよ。顔、まっか」
「だってましろちゃんが近いんだもん…!」
「近くなきゃ一緒に撮れないでしょ♡ホントかわいすぎる」
そう言いながら、ましろはカメラを置いて、ぎゅっとゆみちゃんを抱きしめた。

「ねぇ、私が撮りたくなる理由、わかる?」
「えっ……」
「ゆみちゃんの照れた顔、すごく好き。だから、いじわるしたくなっちゃうんだよね」
そのまま、ましろの指がゆっくりとゆみちゃんの頬に触れた。そっと、なぞるように。
「……ま、またそうやって、いじわる言って…」
「ふふ。じゃあ今度は、カメラじゃなくて、目に焼き付けようかな」
そうささやいて、ましろはゆみちゃんの背後に回り込む。
「や、やぁん…ましろちゃん……」
「逃げたら、もっといじわるするよ?」
甘い声が耳元でささやかれ、ぞくりと背中を震わせるゆみちゃん。なのに、嫌じゃない。むしろ心の奥がふわっと温かくなっていく。
「……じゃあ、逃げないから……やさしくして…」
「うん、ちゃんとやさしくする。だから、もっと見せて。ゆみちゃんの、かわいいとこ」

ましろの指が、ふわりとゆみちゃんの髪をすく。視線と指先と、まるごと愛しさを注ぐように。
「ねえ、ゆみちゃん。もうちょっと大胆な撮影…してみようか?」
ましろが、ちょっとだけ悪戯っぽい笑みを浮かべながら言った。カメラのレンズ越しにじっと見つめられて、ゆみちゃんは首をかしげる。
「だ、だいたん…って、どういうの?」
「うーん、たとえば…そのお洋服の中がどうなっているか…とか?」
「ええ~…」
戸惑いながらも、ましろの言葉に抗えず、ゆみちゃんは顔を真っ赤にしてコクリと頷く。
ゆみちゃんの服に手をかけ、そっと脱がす。肩が少しずれ、白い肌が覗く。ましろの目がわずかに細まり、ゴクリと唾をのむ。
カシャ

カメラには困り顔のゆみちゃん。服を脱がされて心細げに身をすくめている。図らずもその姿勢が谷間を見せつけていることになっているとは気づいていない。
「もっと見たい。ね、下もスカート脱いで。」
「は、はずかしいよぉ…」
「じゃあ後ろ姿だけ、ね?それなら撮っても良いでしょ?ね?」

「もう、むりぃ‥」
ベッドの上。柔らかいクッションに沈みこむように、ゆみちゃんはぺたんと座っていた。
ピンクのミニキャミドレスが、肌にそっと貼りつく。レースの縁がかすかに揺れて、まるで彼女の心の揺れを映しているかのようだった。
「ねえ、ゆみちゃん……そんな格好して、わたしを誘ってるの?」
ふざけているような笑みなのに、その目には確かに熱がこもっていた。
「ち、ちが……っ、これ、ましろちゃんが脱がせたんじゃない……」
そう言ってそっぽを向くゆみちゃんの頬は、ほんのりと桜色に染まっている。
「ふふ、そんなに照れなくていいのに。わたしも脱ぐからー、2人一緒なら恥ずかしくないでしょ?」
ましろはするりと手を伸ばし、ゆみちゃんの頬にそっと触れる。その指先がひんやりしていて、ゆみちゃんはびくっと肩をすくめた。
「やっぱり……反応がいちいち可愛いんだから。困らせたくなっちゃうよ」
「もう、ましろちゃんのいじわる……」
小さな抗議は柔らかいキスで塞がれた。

「嫌じゃないでしょ?」
低く、甘く囁く声が、ゆみちゃんの鼓動を跳ねさせる。
ましろの指が、ゆみちゃんの太ももを撫で上げる。さらさらとした感触を楽しむように、何度も撫でてから、じっとゆみちゃんを見つめる。

「……そんなにされたら、ドキドキして、息できなくなっちゃう……」
か細い声でゆみちゃんがつぶやく。ましろは嬉しそうに微笑んで、”どうしてほしいの?”と視線で問いかける。
それに応えるようにそっと目を瞑り、唇を尖らせるゆみちゃん。

「……もう、ダメかも。こんな可愛いの、見せられたら……」
ましろの手がそっと伸びて、ゆみちゃんの頬を撫でる。その指先が触れるたびに、熱がじんわり広がっていく。息が、自然と浅くなる。
「困らせたいだけだったのにね。……今は、もっと大事にしたくなっちゃった」
ゆみちゃんの耳元にましろの唇が近づき、ひとことずつ、熱を込めて言葉を落としていく。
「キス、してもいい?」
答えを待つまでもないくらいに、ましろの声は甘く、重たく、優しかった。
ゆみちゃんは、小さくうなずいた。羞恥に頬を染めながらも、その瞳には逃げる色はなかった。
ましろは、微笑む。
そして——そっと唇を重ねた。
やさしく、けれど確かに。まるで、心の奥を溶かしてしまうようなキスだった。
「んふふ……ゆみちゃん、今、すっごくかわいい顔してる」
「み、見ないで……」
「もっと見せてよ。ゆみちゃんの、そういう顔……ましろだけのものにしたいから」
囁く声が、くすぐるように胸の奥に染みていく。ましろの目は、冗談みたいな笑みの奥に、本物の独占欲を隠していて、ゆみちゃんはそれに気づいてしまう。
「……あっ!!……」
不意にチクビを摘み上げられ、甘い痺れが全身に広がる。

声が震えてしまうのを隠すように、ゆみちゃんはましろの腕をギュッと掴む。
「いいよ、そのままで。甘えて。困ったゆみちゃんも、泣きそうなゆみちゃんも……ぜんぶ、好きなんだから」
ましろはゆみちゃんを優しく抱きしめる。その腕の中はあたたかくて、やさしくて、でも逃げられないくらいに強い。
ゆみちゃんは目を閉じた。ランジェリー越しに感じるましろの鼓動が、自分のものと重なって、溶けていく。

ゆみちゃんは小さく震えていた。けれどそれは、怖さでも不安でもない。ただただ、胸いっぱいに広がる「好き」が止まらなくて、体の奥から溢れてしまいそうだった。
「ねえ、ゆみちゃん……ここ、すっごく熱いよ。」
全てを見透かすようにゆみちゃんの敏感な部分にそっと触れる。
「ね?もういいよね…?我慢できないよ」
ゆみちゃんの答えも待たず、濡らした指を秘口に当てがう。
チュプッ‥水音を立てて指が沈み始める。指先が入り口をこじ開けると、ちゅるんと奥まで一気に滑り込む。
「あぁっ!!………ああぁぁぁっ!!」

クチュクチュッ…蜜口から漏れる水音と、ゆみちゃんの甘い嬌声が部屋に響く。
「んっ!!あぁんっっ!!」
ヌチュッ、ヌチュッ…クチュ、グチュッ!!
「すごいよ…ゆみちゃんの中、熱くてぎゅうぎゅう締めてくる。すごい、」
「いやぁ!!んんーー!!だめぇー!!……あああぁぁぁ!!」

熱く潤んだ中をグチュグチュと奥まで犯される。自分の身体なのに自分の意思で制御できないもどかしさ、どんなに身体を捩らせてもましろは逃さない。
「分かるよ、ゆみちゃん、イキそうになってる。ここ、すごいもん。」
指先が的確にゆみちゃんのウィークポイントを捉える。
「あっ!!あっあぁ!!!んんーーーー!!だめぇー!!!」
ドピュッッッッ!!ドクドクッ…ビクッ!!ビクッ!!

限界の高みに引き上げられ、何度も身体を震わせて絶頂を迎える。身体の強張りがスゥッと解け、甘いだるさが全身を包む。
「可愛いすぎて意地悪しちゃった。」
ましろがごめんねと言いながらゆみちゃんの頭を撫でる。
「…ううん、いいの。……」
——ましろが困らせてくるのは、いじわるなんかじゃない。甘くて、優しい、好きのかたち。
そのことを、ゆみちゃんはきっと、誰よりも知っていた。
to be continued……
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